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 ~ イタリア料理・西洋菓子教室主宰 田中玉緒のオフィシャルブログ
9月のイタリア料理教室 研究科を終えて その2
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続くセコンドは、「秋鮭のコトレッタ サフランソース添え」でした。コトレッタといっても、バターでカリカリにパン粉を炒めるだけ、炒め立ては美味しいけれど、炒めたものをレンジでチンしても充分美味ですので、おもてなしや帰宅時間がまちまちのご家族にもオススメ!

鮭は焼いてももちろん結構ですが、今回はパン粉のクロッカンテな感じとの対比を楽しんで頂きたくて、香り蒸しで仕上げました。ふわっとした鮭とパン粉のカリカリ、簡単にできますし好評でよかった〜。

この夏生徒さんのパリ土産でボルディエの海藻バターを頂いたのですが、久しぶりに食べてみて「やっぱり美味しいな〜」と思ったのがこのセコンドを作ったもう一つのキッカケ。初めてボルディエを知った翌年2007年に教えたメニューも、やはり鮭を合わせています。この頃は稀代のバター好き家族と一緒で、御見舞兼ねて頂いたいろんなバターやお菓子を堪能していた時期ですが、サーモンとバターも合いますよね。

今年のレッスンではボルディエの手配が間に合わず(ごめんなさい!)イタリアの水牛バター&オリーブオイル半々でパン粉を炒めて、トッピングはオレガノを加えた水牛バターでご用意しました。

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北海道の天然鮭、レッスンは9月前半だったため、脂ののりはまだ今ひとつだったとはいえ安定入荷で助かったのですが…今年はいずこも天災が多く、北海道も台風被害お気の毒なことでした。アオモノだけではなく、鮭も不漁が続いているとのこと、養殖サーモンで復習なさる場合にはできれば「タスマニア産」を探してください。

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場内では半身から買える天然秋鮭、後半は大きいサイズでフィレの厚さもたっぷりしてきました。

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アイディアを頂いたのは、自由が丘の「リストランテ モンド」のこちらのお皿、マンガリッツァ豚をローストしたもの&炒めたパン粉でコトレッタを再構築したお皿でした。

コトレッタは美味しいけれど、大勢のぶんを一度に支度するのはなかなか大変ですよね。もちろん揚げもの特有のおいしさとは違ってしまうけど、このアレンジであれば、塊の大きなお肉をローストしホイルにくるんで休ませている間にパン粉を炒めれば、後はスライスしてさっとだせますね。カロリーも抑えられるし、よいアイディアだな、と思って。お店のお皿は夏に伺ったときのセコンド、添えられたソースはパッションフルーツ風味でしたが、豚と甘酸っぱいソースも相性がよくて美味しかった。

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宮木シェフに伺ってからすぐ試作したので、家にあったきゃべつを付け合せにして写真を撮ったのだけど…9月の献立ですからもう少し秋らしいコントルノ(付け合せ)がいいかなって。いろいろきのことじゃがいものソテー、フェイスブック頁でも作り方を紹介しています。

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うっかり写真を撮り損ねてしまって…生徒さんの写真その1。

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生徒さんの写真その2、じゃがいものピュレなどを合わせるのもよいけれど、食物繊維豊富なきのこたっぷりでご用意しました。

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食後のドルチェは「ズブリゾローナ」というロンバルディア州マントヴァの郷土菓子、イタリア語の 「Sbriciolare ズブリチョラーレ(粉々にする)」からネーミングされました。型がなくても焼けますし、小さめサイズで厚めのクッキーのようにして焼いてもよい、失敗知らずの素朴なお菓子だと思います。

たっぷりのアーモンドのほか、ヴェネト州に近いエリアのお菓子らしくトウモロコシの粉が入ります。

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いずれも焼成前ですが、手前が成形?したあと、要するにクランブルが詰まった感じのタルトなのだけど、この押し加減で生地の固さが決まるので、そこだけ一度是非練習してみてくださいな。

食後向きのお菓子ではないけれど、家で作りやすいイタリアらしいドルチェなのでご紹介しました。レッスンでは、リコッタやいちじく、シャインマスカット&ナガノパープルを添えて紅茶とともにサーヴィス、イタリアの方たちのように焼き上げてから、リコッタやヌテッラをサンドしても美味しいですよ。

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# by amarone-masi | 2016-09-29 19:42
9月のイタリア料理教室 研究科を終えて その1
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9月のイタリア料理研究科の簡単な補足説明と料理写真をまとめておきます。

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今月は前菜が2品、レッスンメニューの9月〜11月は秋の献立、秋の最初のコースを組みましたが、残暑が予想されたのでまずは「冷たいアーモンドのスープ」を一口サーヴィスしました。

これはスペインの「白いガスパチョ(アホ ブランコ)」のアレンジで、イタリアのVeganメニューの雑誌からヒントを得ました。「マラガ風ガスパチョ」とも言われるこのスープには伝統的には白い干し葡萄を加えます。本場では葡萄かメロンも一緒にジューサーにかけるのですが、刻んだシャインマスカットをガーニッシュにしてアレンジ。

お皿にこうして盛ってみると洒落た一品にみえるけど、全ての材料をジューサーでガーっとするだけ、アーモンドはアンチエイジングや美肌にも効果的な食材ですし、朝のスムージー代わりにもオススメ!そして、意外なことでしたが、すでに復習率が高くて嬉しい!メニューでした。

できれば、アーモンドスライスは色づかないように気をつけてフライパンで軽くローストしてから使うとぐっと香りがよくなりますよ。もちろん冷ましてから合わせてくださいね。レシピにも書いたようにココナッツミルクを加えるバージョンもオススメですよ。

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世界的なトレンドでとにかく「花を食べる時代」なわけですが、先月パンナコッタに使ったエディブルフラワーのパンジーは可愛いもののお味は…ですよね。「ビタミンCはあるけれど」というだけではなくて、風味のある花を添えてみたかったので食用菊をぱらりと散らし。

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二品目のアンティパストは、「帆立と和梨のカルパッチョ ミルフィーユ仕立て」。こちらは、夏の食べ歩きの成果その1、お知り合いの小出シェフが腕をふるう、「ナノ・ユニバース ジ オークフロア」(リンク先は音がでます)@渋谷に久しぶりに伺って頂いた前菜の組み合わせが新鮮で、教室でも紹介してみたいな、と。

基礎科に「帆立とグレープフルーツのマリネ」という大好きなメニューがありますが、洋梨でもない和梨の甘さがよい感じでした。

レッスンでは手早くスライサーで切ったけど、バランスとしてはもう少し厚みがあったほうがよかったかな、と思っています。ぺぺヴェルデの水煮とすだち果汁とオリーブオイル、塩をブレンダーにかけたドレッシングのほかに、アレンジでボッタルガパウダーをふりかけました。帆立の貝殻に見えるかな?

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小出シェフとも実に久しぶりにお会いしましたが、お元気そうでよかった〜。こちらのお店はイタリアンには珍しく個室あり、場所柄曜日によっては賑やかなので「渋谷でゆっくり」というときは個室の予約がオススメです。

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シェフのお皿はこんな感じでした。実はほんのりきかせたグリーンペッパーには気づかなかったけど、後でお礼&教えてみたいと連絡をいれると、懇切丁寧に教えてくださいました。お店はレモン&オリーブオイルでしたが、和梨にあわせてすだちでアレンジ。

グリーンペッパーがないときはもう少し酸度をきかせて、1:3くらいでお好みの柑橘果汁とオリーブオイルでマリネ液を作ってみてくださいな。ミルフィーユ仕立てにしなくても、帆立も梨もコロコロ大きく刻んでもまた違った美味しさが楽しめると思います。

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今月のプリモは、本来はあっララビアータで作ってみようとしたためていたアイディアなのですが、ブッラータをのせた「アマトリチャーナ2016」、アマトリチャーナはいろんなアレンジですでに何度も教えたメニューです。でも、クラシックなソースはおいしいし、イタリア中部地震のニュースを受けて、少しでも御見舞の気持ちを届けたい、と、今月ご出席の受講料からお1人につき2ユーロ、こちらの呼びかけに応えたいと思いました。

アマトリチャーナにはフレッシュトマトも加えて、室温に戻したブッラっティーナを直前にカットしてココにもおいしい塩と胡椒、オリーブオイルをたらり。本来はペコリーノロマーノをすりおろすところを、ブッラータと喧嘩しちゃうといけないので今回はグラナ・パダーノで。

パンチェッタやグアンチャーレはアマトリチャーナに欠かせない食材だけど、ブラッ−タのせのアレンジであれば乳製品OKのベジ食ゲストも楽しめますね。

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ブッラータの小さいサイズのブラッティーナはアマトリーチェのあるラツィオ州ではなくプーリア州の特産品ですが、この機会に10月ぶんまでのこちらの売り上げからも合わせて寄付を寄せますね。ご報告はまたFB頁で。

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イタリアのトマトの歴史は意外と浅く、ローマ近郊アマトリーチェ発祥のアマトリチャーナも昔はビアンコで仕上げていました。
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こちらがトマトベースのローマ風アマトリチャーナ、そういえば、ローマではしばらく食べたことがないので次回はきっと!
# by amarone-masi | 2016-09-27 12:44 | レッスン
夏の教室2016 和食のレッスンを終えて

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今年の夏の和食のレッスンメニューの料理写真をまとめて、簡単な補足説明を記しておきます。

まずはスターターの「とうもろこしのすり流し」。

甘いゴールドラッシュを使って、隠し味は白味噌ならぬ普通の赤味噌で、仕上げに青柚子をすりおろすととってもさわやか!レッスンではベランダの青柚子、今年は調子が悪くて実らず、ライムで代用したクラスもあれば、それすら忘れたクラスもあり…皆様の復習意欲をあげるための愛の健忘だと思って頂いて、是非ご自宅では青柚子やすだちなどの柑橘の皮を添えてみて。

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そして今年の夏のテーマは「生姜焼き」、夏の定番家庭料理を「焼き」と「蒸し」、2パターンでご紹介しました

今頃ですが私の中で「醤油麹」ブームが再燃中。旨味のある自家製醤油麹を使うことで、みりんや砂糖などの甘さを控えた、減塩かつ糖質カットのレシピです。とはいえ家族が好きな味を作るのが一番ですからね、(特別な健康上の問題がなかったら)好みに合わせて砂糖やみりんは適宜追加してください。

最近夜はご飯を召し上がらないかたも多いため、生姜焼きにはたっぷりきゃべつのせん切りを添えて…しっかり味のついた豚肩ロースのスライスは野菜をくるっと巻いて食べても美味。

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生麹は教室の近くの新潟館ネスパスで購入、いつもの奥仁多のお醤油に合わせて。

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一週間ほど室温で御世話をしてあげれば完成です、とっても簡単!

完成したら、このまま野菜スティックにつけたり、冷奴にのせたり、お醤油代わりをイメージしてだいたいなんにでも使って頂けますよ。

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いつぞや夏の和食でも「塩麹蒸し」を紹介しましたが、今年は醤油麹を使って「生姜焼き風蒸しもの」も。

野菜は時間差を考えて、きゃべつのほかに、もやしや椎茸、アスパラなんでもOK、いろいろ入れると「生姜焼き」からはどんどん離れていきますが、あくまで「風」ですから野菜たっぷりを楽しんで。

いずれの生姜焼きの豚肉も合わせたタレに前もって30分くらい浸けておいても美味ですが、オススメは薄めのスライス肉で作る「蒸し」のほうかな。「焼き」はどうしても焦げやすくなりますし(実際に1クラス焦がしました…ごめんなさ〜い)、個人的に「焼き」は風味も直接絡めたほうが好き。

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「梅干し、黒胡麻、三つ葉の炊き込みご飯」とおまけの「しじみの赤出汁」。

梅干しのご飯は数年前に友人の家でご馳走になったもの、種からも良い出汁が出て、酸味もマイルドになって美味。昆布はなければ省略可、でも、美味しい梅干しを探してください。

献立的には赤出汁よりお吸い物がよかったですね〜(=反省)。

夏も旬の「しじみ」は肝臓ケアには一番よい食材、食感は悪くなるけど旨味成分は冷凍したものが上回ります(詳しくはレシピをご参照ください)。新鮮なしじみを見かけたら、面倒な砂出しは一度にまとめてしておいて、冷凍保存もオススメです。

この時期、お酒を召し上がらない方にも積極的に摂ってもらいたい食材です。ご存知のように肝臓ってストレスにも弱いわけですが、この蒸し暑さも多くの人にはストレスですもの、夏バテ防止に是非ともしじみを!

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そして、これを献立に追加したことでバランスが崩れてしまったのですが、とっても美味しいから紹介したかった「夏野菜の揚げびたし」。

「かぼちゃ」はぜひとも加えていただきたいところですが、野菜いろいろは全部揃わずとも、総量だけほぼ合わせて準備なさってくださいね。味はだんだん濃くなるけれど、数日は常備菜的に楽しめます。FB頁でも紹介したけど、鶏もものソテーのソースにしても美味!

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野菜の素揚げも少量の油で。

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「豆腐のうに餡かけ」、今回は「麺つゆ」ではなく「白だし」+醤油(少々)で味付けしました。

和食のレッスンに関しては、刻んだり多くの手間がかかるぶん(手間は美味しさに比例しますが…)、安心&美味な市販のものも時々使って料理を仕上げています。それでも、皮をひいた賀茂なすを素揚げすれば、さらに立派な一品に…今年は「夏野菜の揚げびたし」がありましたので、揚げなす&揚げ出し豆腐のレシピもつけて、「うに餡」はシンプルにお豆腐そのままで紹介しました。

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食後のお楽しみは蒸し器で蒸した「昔プリン」、レギュラーのイタリア料理クラスで紹介している「クレーム カラメル(またはブディーノと呼びます)」のリチェッタも気に入っているけれど、ぐっとさっぱり風味の牛乳プリンはほろ苦いキャラメルとマダガスカル産の香り高いヴァニラビーンズがアクセント。

オーブンで大きなクレーム・カラメルを焼くほうが楽な気もするものの、蒸し器だと手軽にできるし、何より夏の間は作り手の暑さが違いますね〜。ヴェトナム風ではありますが、室温も高かったため、かき氷を添えて。

メニューが多かったため説明が至らないところもあったかと思います、ごめんなさい!受講なさったかたのご質問はいつでも受け付けておりますから、まずは是非復習なさってみてください。

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# by amarone-masi | 2016-08-23 21:03 | レッスン