本日より1月4日までお休みを頂きます。今年もありがとうございました。皆様、よい年の瀬、よい新年をお迎え下さいませ
08年、プライベートでのできごとを除くと、もっとも衝撃をうけたニュースは、フランス北西部カンカルにあるレストラン、
「メゾン・ド・ブリクール」の閉店でした。
地元生まれのオーナーシェフ、オリビエ・ローランジェ氏が突然、「肉体的にやっていけない」と三つ星をミシュランガイドに返上。「もう毎日昼と夜、調理台に立てない。肉体的についていけない」と説明されたとのことですが、フランスで一番訪れてみたかったレストランだけに残念でなりません。大好きなブルターニュを近々是非再訪したいと考えていたのに…。
お店は12月15日に閉店しましたが、今後も近くの村に開いてきた気軽なビストロの経営は続けるそうです。しかし、ミシュランの評価は望まないという話。テレビに出たり世界に支店を展開したりする他の三つ星シェフたちとは違って、ロランジェ氏は一貫して故郷で地道に料理に打ち込んでおられました。
何年か前に料理雑誌のインタビュー記事で、シェフの素晴らしい人柄を知り、「是非この人の作る料理を食べてみたい」と願っていたけれど、料理も出会いのもの、タイミングを逃すと悔やんでも後悔しきれないこともありますね。
残念ではありますが、自分が調理場に立てない以上はもう大規模なお店は続けられない、というのも、シェフの料理人としての真摯な姿勢の表れのように思います。
また、08年の食に関しての一番の思い出は、生まれて初めて「すっぽん」を食べたこと。
恥ずかしいことに、いまだに食べものについて多少の好き嫌いといいますか、嗜好はあるほうなのですが、全く口にできない食材はほとんどありません。でも、「すっぽん」だけは鍋に浮かぶその姿を見て、これまで一切口にできませんでした。専門料理ですので、わざわざ食べにいかない限り、いきなり出されるチャンスもないですしね。
好き嫌いがひとつもないのは大変立派なことですが、自分もそんなわけですので、成長期を終えた大人になっての多少の好みは仕方がないかな、と思うのです。でも、食べず嫌いは、実にもったいないことだとも思うので、なるべく「えいや!」で、追い込まれた際には何でも果敢に食べてみることにしています。思えば「ナマコ」というのも、さほど親しくない方との会食で出されて初めて口にしたのでした。
というわけで、この冬親友のおすすめの店で、初スッポンに挑戦。
といっても、この店はほかのすっぽん料理屋さんとは違って、かなり食べやすく、しょうががきいたお鍋もあっさり仕立て。以前は恐ろしくて口にできなかったその脚も、お店のかたによそられて食べてみると、盛んに動いている部位だけになかなか美味しいものだと感心。写真の湯びきしたお刺身も美味で、何より食後は身体が温まりましたよ。
来年は何を初めて食べられるでしょうね。楽しみです。
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