外にでる用事さえなければ、静かな雨の日も嫌いではないのです。
しとしと雨降りの土曜日、昨日は残業で会えなかった友人をランチに招きました。ベランダのハーブを摘んで、簡単にテーブルを調えて、後はおいしいご飯を作るだけ。
急に気温が下がりましたね。
レッスンの始まる来週もどうやらこんな陽気が続くようですが、春が美味しいと言われるラム肉には身体を温める効果もあるので、こうした天気も今月に限っては大歓迎。
昨年からお付き合いを始めた業者さんのラム肉を初めて使います。いずれも豪州産のチルド輸入のものですが、生産者が違うので、これまでのものと食べ比べてみようと、ラムラックを2本用意して同じように焼いてみました。
ラムラックからは8本のチョップがとれますから、1人ではとても食べ切れません。贅沢にも「ラム肉食べ放題!」を謳ってはみたけれど、2人でももちろん、さすがに16本は食べられませんでした…それでも、やっぱり食べる人がいてくれたほうが、料理に身が入ります。雨なのに、ちょうどよいタイミングでご飯にきてもらえて、大変ラッキーでした。
まずはラックの背骨を外し、余分な脂やスジを取り除いたら、ぺティで骨を磨きあげ、フレンチラックと呼ばれる形に掃除します。焼く前には脂にきつめに塩をうって、必ず室温に30分は置いておきましょう。
パンがなかったこともあり、ボウル1つで手軽に準備できるクスクスを添えました。クスクスもパスタの1種。イタリアにおいても、アラブの影響も色濃く残るシチリアではよく見かけます。
クスクスから連想して、クミンなどエキゾチックなスパイスをきかせたナスのカポナータを添えました。予定している玉ねぎとケッパーのソースより、初夏に向かってこちらのほうがいいかしら?と迷ってしまいます。
さて、ラム肉の食べ比べの結果は?…少しでもおいしい素材を使いたいのが、料理人の性。が、信頼のおける業者さんの品であれば、決してまずかろうわけもなく、多少の違いはあってもどちらもおいしいラムでした。後は個人の好みもあるし、ある程度のラインをクリアした食材であれば、それと向かい合って、持ち味を活かして、一番おいしく食べてもらえるように料理するのが一番かな。
調理中は集中して頭を使うので、雑念が入らないし、ちょっとした工夫が結果に反映すると、「オイシイ!」って他人(ひと)に喜んでもらえます。やっぱり料理は楽しいですね!