11月の和食のレッスンメニューは「おでん」でした。
江戸中期の田楽がおでんのルーツ、醤油ベースで煮る「おでん」を「関東煮(関東炊き)」とも呼んで、今でも地域によっていろんな個性がある「おでん出汁」、是非レシピをベースにご家庭の味を作ってください。
先週は東京にも11月の初雪が降って、冷え込みましたね。今週もまさしく「おでん日和」、晴れてはいても空気が冷たい。
まずは寒い中いらした皆様に「粟餅入りの白味噌汁粉」をお一口だけサービス、餡はお好みで粒でもコシでも。柚子皮たっぷりが秘訣ですが、京都八百三さんの柚味噌(ゆうみそ)を少しプラスしても美味。
復習はとても簡単だから、寒い朝やおやつの時間にたっぷりどうぞ!白味噌椀は味噌たっぷりで濃いめが美味、そこだけがおいしく作るポイントかな。
今年のレッスンでは、京都舞浜のおでんだねを取り寄せてみました。いろいろ食べると意外とお腹に溜まるおでんだねも、小さめサイズでいろんな具材を楽しめます。レンコンさつまや、牛蒡やタコのちぎりがお勧め。
しんじょも美味しかったけど、やっぱりはんぺんにするべきだったな、というのは反省点。
今回は牛すじも加えたので、いわしのつみれ団子も加えませんでしたが、牛すじがなければ、練り物だけだと飽きがちだからがんもやつみれ団子は是非加えてみてください。
野菜あげがたくさんセットに入っていたので、がんもの代わりに今回は絹ごし豆腐の厚揚げ「小絹揚げ」を。お豆腐は絹ごしが好き、これと青菜をよくさっと煮浸しにします。
そして、頑張れたらぜひの牛すじも。
仕入先のお肉屋さんはスジにもたっぷり肉をつけてあって、ちょっとイメージが違うのですが…串刺しした牛すじもおでんに華を添えますね。塊肉を加圧するのは苦手だけれど、すじ肉を一度茹でこぼしてから、生姜や葱たっぷりで40分圧力鍋にかけました。
天然コラーゲンでふるふる固まった茹で汁もとても美味!おでんの出汁に少し加えてもおいしいですし、今回はたくさん串を加えたから充分スジから味がしみでるため、下茹での汁は使いませんでした。それでも決して捨てないで!冷凍していつものCurryなんかに加えてみてください。
牛すじは1キロパックの冷凍ですが、いつでも仕入れのご相談にのりますよ〜。
野菜不足になりがちなおでんの日の定番の変化球、「北京風白菜のサラダ」、今年は写真を撮り忘れてこんな感じですみません!
室内は暖房で乾燥しているから、真冬のサラダも案外おいしいもの。これは少し時間が経ってもおいしく食べられるサラダ、翌日も少し白菜を足して食べられるくらい!で便利なメニューです。
茶飯は一保堂茶舗のほうじ茶をベースに、台湾南部の香ばしいお茶をミルサーで挽いて。
もちろん、これはレッスンだから手間をかけただけ、いずれかで十分ですから、醤油ではなくお茶で炊く茶飯もおいしいですよ。
台湾にも茶葉料理を出す店があります。豚肉を煮たりするだけじゃなく、たまにはご飯に炊き込んで。
いつもの調子で下茹でしたら旬の大根はすぐやわらかくなってしまい、出汁で煮込むとグジャグジャになりそうで慌てて引き上げておでん出汁に漬けましたが…味が染みたりなかったのが反省その2、でも、まぁ、基本のおでん種にはそれなりの塩分がありますから、お酒のあてでない限り、箸休め感覚で大根や卵、こんにゃくは少し薄味でもいいのかな〜という気がします。
おでん屋さんもコントロールが難しいというおでん出汁、おでん種の味がどんどん出るので安定させるのは大変です。かのお多幸の大将も、「カウンターに立つ者が変わると必ず「味が変わった」と言われるのが世の常」と仰っています。
具材によって一期一会のおでん出汁、〆にサービスする「茶飯の焼きおにぎりのおでん出汁がけ」もその時その時のおいしさがあります。
煮ている間のおでん出汁も、すき焼きほどではないけれど、途中のコントロールが必要です。私は塩分のないベースの「合わせ出汁」もいつも少し余分にとっておきます。
昔JALの機内誌で読んだ、おでんを研究して18年という比較食文化研究家の新井さんの言葉、「おでんはコンビニで買えるファストフードであり、懐かしいお袋の味であり、料理人が腕をふるいたくなる料理でもある」って本当だな〜っていつも思います。