今月は、年末にお届けしたお惣菜セットで好評だった「帆立のパンナコッタ」をレッスンでもとりあげてみました。
冬には根菜類といった旬の野菜を扱うのはもちろんのこと、私なりにその月にイメージする食材があるようで、1月に帆立貝を使った料理を教えることが多いのにふと気がつきました。ちょっと不思議ですが、1月は帆立の気分らしいのです。
残念ながら、帆立貝(中華の干し貝柱は大好きなのですが…)は特に好きな食材でもないのですけれど、なんといっても魚介の中では最も掃除がラクですし、養殖中心で一年中お値段も比較的安定、家庭料理に上手に組み込むと心強い味方になりますよね。
今月はさらに手軽に、教室では滅多に出番のない電子レンジを使って帆立を白ワイン蒸しに…ピュレにした帆立とゆるく立てた生クリームを合わせたらあっという間に完成。すぐ召し上がるならゼラチンの必要もないくらいですが、しばらく置くと離水する場合もあるから、ほんの少しゼラチンを加えています。口に入れるとふわっと溶ける淡雪みたいなムースです。
スプレッドのように、野菜スティックに塗って食べても、ヘルシーで美味しいですよ〜。私のお勧めはセロリ!
ふわふわのムースとの対比を考えて、柚子のゼリーは寒天で寄せたようなイメージで固めに作っています。柚子果汁は酸度が高いから、水で同割にしてお砂糖もプラスするとぐっとおいしくなります。
ご家庭ではシブレット(または万能ネギなどでも)を小口に刻んでパンナコッタの生地に混ぜても見栄えがよいと思うのですが、レッスンではひと手間かけてシブレットのソースで帆立を和えてトッピング。
一緒に添えたクロスティーニも好評で、土台になるパンは青山アンデルセンが焼いているものなので、褒められるたびに先生としては複雑な気分になりますが(笑)、おいしいオリーブオイルをたっぷり塗って低温で焼いて乾燥させた香ばしいクロスティーニは、それだけでもおつまみになるくらい美味。
ところで…今月ソーサーとして2度も登場し活躍してくれたのは、
ソウル土産の青磁の器。
花びら型が5枚でセットになっていて、「彩りよくナムルでものせて、お花のように置いてみたい」と買い求めてきましたが、意外にこうしてばらしても使いやすいのです。少し深さがあることと、大きさがちょうどよい頃合いなのだと思います。
小さなお惣菜を盛ったり、こうしてソーサーとして使っても、主張しすぎず、全体をさわやかな印象にしてくれます。次回インサドンを訪ねた時に同じ器がまだあれば、是非もう1組買ってこよう、と密かに決意している次第。