今月はメニューの変更でご迷惑をおかけしたので、全部で5品お教えしましたが、そのうち2品は人気のプリミ。真夏にキッチンで火の前に長く立たずに済むよう、ぱっと仕上がる簡単レシピをご紹介しました。
1品目はゴーヤ入りのアマトリチャーナ。疲労回復にもよいゴーヤの苦みがアクセントで、夏野菜のグリルを彩りよくのせています。
夏らしい配色のテーブルで皆さんをお迎えしています。
トッピングの夏野菜はクラスによって若干違っていましたが、鎌倉野菜の丸ズッキーニなどビタミンカラーが満載です。それから、ほんの少量ではありましたが、甘く香ばしい台湾土産の筍の水煮もグリルして添えてみました。
トマトソースにはカラヴリア産の赤唐辛子も加え、甘みのでる玉ねぎは控えめで、アマトリチャ−ナとアッララビアータの中間くらいのイメージのパスタソースです。
これが問題のムール!
モンサンミッシェルの西100キロの地域で同様な手法で出荷されるムールをお味見にご用意してみました。イタリアではプーリアとリグーリアがムールの産地で、やはり小粒で味濃く美味しい。入荷が安定しているモンサンミッシェルをご紹介したかったのですが、今年は来週月曜が初入荷だそうで間に合いませんでした。
荷姿はモンサンミッシェルのそれとまるで同じで、こんな感じで殻もきれいに掃除済み、足糸を抜いて仮死状態にして少量の海水とともに真空で空輸されます。この状態で輸入日から1週間冷蔵でもちますが、モンサンミッシェル産同様に、その図抜けた生命力の強さが美味しさの秘密だと言われているそうですよ。
土用の鰻ではありませんが、生命力溢れる食物を口にすれば暑気払いになってきっと皆さんも夏バテなさらないかしら、とも考えて、次回と食材は重なってしまうけれどムールも用意したかったのです。
こちらのサンブリユ湾のものでもじゅうぶんに、ヨーロッパのムールの美味しさを知っていただけたのではないでしょうか?モンサンミッシェルよりさらに小粒ですが、その身はぷりっとしており、殻いっぱいに入っています。
日本の魚介はほとんどが海外より素晴らしく美味しいのに、ムールだけは水っぽく大味で残念だと思っていましたから、産地は違えど、とにかく皆さんにこうして美味しいムールを紹介できてよかった。
ムールはあくまでお詫びのおまけ、スモークサーモン入りのハーブソースのカヴァタッピ。ディルとセルフィーユでつくる淡いグリーンのハーブソースは見た目もさわやかで、ジェノベーゼより軽い味わいですが香りはとびきり!
変わった名前の「カヴァタッピ」とは、ワインオープナーのこと。スクリューみたいなこのパスタは、ソースの絡みがよくて使いやすい。トマト系にも合いますよ。松の実をたっぷりふりかけて仕上げます。サーモンがお苦手なら生ハムで代用なさっても美味しくできます。