今月のドルチェは、「フィナンシェ・アル・ポンペルモ」、ルビー色したグレープフルーツを焼き込んだ、大きなフィナンシェです。
ぐるぐる混ぜで簡単にできるわりに、見た目は立派にケーキのよう、プレゼントに差し上げても喜ばれるのではないでしょうか?
蒸し暑い日々にオーブンと火を背負って朝から晩まで働くのは、いつにも増して大変でした…でも、料理の仕事のよい点は、どんなにヘトヘトになろうとも、食べてくださる皆様の、「おいしい!」の声と笑顔にほっと救われること。
今月こそは、「バナナカスタードパイ」で「チェリーパイ」にも応用できるパイ生地を教えようと思っていたところに、ちょっとしたトラブル発生…しかし、まぁ、ココは臨機応変に考えて、「『簡単でおいしい』のが一番ではないか?」と急きょ前日メニューを変更しました。
というのも、5月のレッスンで教えた「トルタ ディ バナーナ」という「ぐるぐる混ぜのケーキ」に、未だかつてないほど、「上手に焼けました!」「何度も作りました」との生徒さんからよい反響がたくさん集まったのです。やっぱりパイ生地はお菓子のクラスで教えることにして、今月も「どなたでも失敗のない焼き菓子」をお教えしました。
卵白はカルボナーラのときに凍らせておいた冷凍卵白で大丈夫。アーモンドプードルだけがやや特殊な材料ですが、私はしっとり感より風味のよさを選んで皮付きのそれを使っています。焦がしバターが大変だったら、レンジでチンしたただの溶かしバターでもOKですよ。夏の終わりには、いちじくを焼き込んでもお洒落で美味。
フルーツを加えなければ常温保存も可能ですが、果物をのせた場合には要冷蔵で、召し上がる前に室温に戻すか、レンジに数秒かけると、しまって固くなってしまった生地が、ふわっと柔らかく再び美味しくなります。
今朝個人レッスンの前に、撮り直しをした「鰯と賀茂茄子のコンポジション」。教室ではセルクルで抜きましたが、ご家庭ではグラス盛りでサーヴィスするとよいですね。
鰯のマスタードマリネだけでも十分美味しく楽しんでいただけますし、賀茂茄子にパプリカのソースを添えるだけでもこれまた十分美味。パプリカのソースは、レッスンでもご案内したように、何単位分かまとめて作っておかれることをおすすめ!します。
牛乳を加えてスープにしたり、ゼラチンと生クリームでムースにも展開できる便利なレシピです。温かい状態であれば、カツレツのソースによし、かりっと炒めたパンチェッタと玉ねぎで、「パプリカのアマトリチャーナ風」のパスタソースにしても美味しい。
そして、プリモは、「あさりと生海苔、ズッキーニのリゾット」、バターと一緒に最後に針生姜も加え、トッピングにはたっぷりみょうがを。
何年か前に教えた「あさりと生海苔のクリームパスタ」が大変好評でしたので、意外に乳製品と相性のよい生海苔を使って、リゾットを作りました。あさりとズッキーニはイタリアではよくある組み合わせですので、伝統に敬意を表しつつ、日本の食材をとりいれた1品です。
ボンゴレでもナンでも貝を使ったメニューのときは、貝殻を半分だけ外してあげておくと、ゲストにやさしいですね。親切が度を過ぎて貝殻を全部外してしまうと、目へのご馳走が減ってしまいます。
浜名湖名産の生海苔は150g1パックで場内で売っていますので、前もってお近くの魚屋さんに頼んでおかれれば必ず手に入ります。余った分は小分けにして冷凍すればよいですし、ツェッポリーネの生海苔がおいしいのですから、パンに焼き込んでも風味よく面白いと思いますよ(イカスミパンよりは万人向けです!)。もちろん無難にお味噌汁に加えるのもおすすめ。
今回久しぶりにイタリア米で炊きましたが、リゾットらしい食感はこちらの勝ち、でも、お味は日本米で作るとさらにおいしいので、無洗米などを利用して是非復習なさってみてください。
そして、セコンドの「サマー・スパイシー・サルシッチャ」。
インド土産のカレー粉とガラムマサラを加え、中華料理のアイディアを借りして肉の一部を刻んだ蓮根に換えています。歯応えも楽しく、カロリーもややダウン。冷たく冷やしたロザートと一緒に楽しんでください。
腸に詰めるのはムリであっても、お肉やさんで分けてもらった網脂でくるんで焼くと、簡単美味ですよ。