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 ~ イタリア料理・西洋菓子教室主宰 田中玉緒のオフィシャルブログ
5月のレッスンを終えて
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コースの流れで、セコンドの豚肉の後で少しどっしりした焼き菓子がドルチェになってしまったので、お口直しに今月もまたグラニテを出しました。

フルコースの後のお食後は、フルーツそのものか、或いはフルーツを使ったお菓子を頂くのが好き。グラニテは家で簡単にできるうえ、前回サーヴィスした「オレンジとマンゴーのグラニテ」や、寒い冬に好んで鴨料理の後のお口直しで出す「ラズベリーと赤ワインのグラニテ」など、味のコンビネーションを考えるのもとっても楽しい。

お揃いの色の食材は味も相性がよいことが多いので、5月のレッスンでは「オレンジのグラニテ」に パッションフルーツを添えて…石垣島から届いたパッションフルーツのその香りだけでもさわやかな気分になります。



今月は基礎科の皆さんも一緒のメニューの合同レッスンの月でした。GWをはさんだ関係でどのクラスも少々混み合ってしまったため、お詫びの気持ちを込めて、品数を多くしてお迎えしました。

以下、簡単に補足・説明しておきますね。

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まずは、前菜のスープ&オルツォのサラダ。スープ好きゆえ、ありとあらゆるものをスープにしていますが、毎回食材の個性に合わせて配合を変えています。今月ご紹介した「新ごぼう」のスープに関しては、じっくり柔らかく煮てからピュレにするのがコツ。

それでもだいぶ繊維が残りますので、裏漉すかどうか最後まで迷ったのですが、スタッフの皆さんの「ごぼうっぽさがなくなる」という意見を採用してそのままサーヴィスしていました。でも、最後のほうのクラスではやっぱり自分の意見を通して、半分だけ裏漉してサーヴィス。サラダと合わせない状態であれば、全部裏漉してしまってもスマートな味のスープになるかと思います。チーズと牛蒡も相性がよいので、温かいスープで楽しむときに、パルミジャーノのチュイールを添えるのもおすすめですよ。

お店で頂いたように「ホワイトアスパラのスープ」(すでに研究科のかたはレシピをお持ちですね)を合わせてももちろん美味ですし、ヴィシソワーズに合わせても。バルサミコの酸味でクリームベースのスープの印象が締まってすっきりすると思います。

もう1つの前菜、オルツォのサラダ。ヨーロッパの押し麦はぷりっとしていておいしいですね。今月ご紹介したのは戻す手間いらずのインスタント押し麦(仏産)。お米のサラダのレシピでお米の代わりにこれを使うと、ビタミンや食物繊維も豊富にとれてヘルシーです。今回のホタルイカとホワイトアスパラの組み合わせのほか、海老とグリーンアスパラ、ホタテ貝と季節の野菜など、魚介と合わせるのがおいしいな、と思います。

ベランダの木の芽がたくさん育っていたから、パンと叩いたそれを刻んでアクセントにしましたが、もちろんイタパセやバジリコでも代用可能です。

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パスタは、「春きゃべつとアンチョビのソース」で、お休み明けの疲れがでやすい時期に、胃腸を守り、また急に気温が上がって参りましたので、薬膳では貧血にもよいとされるきゃべつをたっぷり食べて頂こうと思いました。

アンチョビと蒸し煮にしたきゃべつをピュレにして、最後に栄養価の高い青い部分の生の葉っぱを加えてパスタと一緒に和えますが、ビタミンCをなるべく多く残せるよう、余熱だけで仕上げられるのも、葉のやわらかい春きゃべつだからこそ。

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そしてメインは酵素ポークを使ったピッツァイオーラ。教室では国産のサンマルツァーノを使いましたが、全て水煮缶で作っても結構ですし、お家にあるだけ生トマト(プチでもダイジョブです!)を加えて、総量を400g前後にするように調整して是非作ってみてください。

早々に夕べも、「早速、ポークのピッツアイオーラソースを作ったところ大変好評で、お皿のソース、本当にきれいになっていました。作り手にはうれしいですよね。子供も先生のレシピ、日本のイタリアンが一番美味しいと言っています。今週は週末に買ったバナナが熟れ頃になると思うので、バナナケーキに挑戦します」という生徒さんからの嬉しい報告のメールがありました。

米国に留学されているお子さんが一時帰国中とのことでしたが、こうして生徒さんのお宅でも私のイタリア料理が、生徒の皆さんの手を通してそのご家庭の味になり、ご家族やご友人のかたに楽しんで頂けることが一番の喜びです。最初に将来いつか自分でも教室をもってみたいという夢をご相談した藤野真紀子先生が、「お教室はいいですよ。お味が根付くから」と仰って励まして下さったことを思い出します。

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コースの最後はトルタ・ディ・バナーナ。

「どなたが焼いても失敗のない配合です」と宣伝しておいて、初日のレッスンでバナナ羊羹みたいなケーキを焼き上げたときは本当にひやっとしました。が、あれは単なる計量ミスで、BPを量り忘れていただけのよう…その後は順調にぐるぐる混ぜで、簡単にきれいなケーキが焼けました。リチェッタに書いたように、お粉の一部をアーモンドプードルに替えて頂くと、さらにリッチな味わいになります。焼き上がりに刷毛でラム酒をたっぷり塗れば大人向けのデザートになりますし、そのままでしたら朝食のマフィン代わりにも。

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さて、一昨日に続いて昨日のお客様には、余っていたアスパラをソースにしてパスタを出しました。野菜のソースなのでやっぱり今回も合わせたのはロザート(仕事中でしたので私はサンペレ、お水です…)。鮮やかなグリーンをしたパスタの後に巻頭のオレンジ色のグラニテを出し、大変暑い1日でしたが、目に栄養の元気が出るビタミンカラーとアスパラギン酸で疲労回復?

何でもピュレにすればよい、というものではありませんが、パスタによく絡むようになるので、ブロードで煮たアスパラをピュレにしてソースにします。ブレンダーにかける際にパルミジャーノとバジリコの葉っぱを1枚加えるのがポイントで、アスパラジといえばの「ミラネーゼ風」で目玉焼きも添えました。レッスン週に連日いやというほど料理をした後でも、やっぱりこうしてまたすぐにキッチンに立ちたくなってしまいます。お料理は面白い。
by amarone-masi | 2009-05-21 06:21 | レッスン
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