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 ~ イタリア料理・西洋菓子教室主宰 田中玉緒のオフィシャルブログ
Piccante!
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食欲が落ちたときはもちろん、お正月料理に飽きた頃にも、ぴりっと辛い味つけは食が進みますね。イタリア語では、「ピッカンテ」といいますが、欧米の方々に比べると、私たちアジア人は全般に辛さに強いのだと思います。

辛さといえば、定番の鍵屋さんのゆず胡椒のほかに、最近お気に入りの調味料は、友人にもらった横浜萬珍樓の「自家製香辣脆」(写真手前)。香辣脆の「辣」とは痺れる辛さのことだそうですが、ご覧のように唐辛子の種がびっしり!実際、驚くほど辛い!!!です。でも、黒豆も入っているからか、こうばしい香りが食欲をそそって美味しい。



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今日は嬉しいことに、お昼も夜もお客様。「せっかくなので、有り合わせでご飯も用意できますが如何ですか?」と尋ねて、「まぁ、嬉しいです!」と快諾されると、私のほうがもっと嬉しい気分になります。

先週のレッスンの牛すねが残っていたので、コトコトやわからく煮て、昆布で炊いた大根と合わせて、香辣脆でピリ辛に炒めてみました。忙しくてもなるべく手作りのものを食べたいから、普段のお惣菜は時間のあるときひと手間かけて下準備をしておいて、その後2〜3種のおかずに展開できるように考えます。

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お昼のお客様は、いらしてみると、胃腸の調子が今ひとつという話。「白いご飯に、ピリ辛のおかずで」と準備していたのですが、やさしい味のもうひとつの献立に急きょ変更。

牛すねのブロードでスープを作ろうと、大根も半分は違った刻みかたをして茹でておきました。わかめとすね肉、生姜に長ネギを加え、仕上げに白ごまをパラパラふって、ごま油をたらり。とびきり香りのよい「手搾りごま油」も、調味で使った「竹塩」も、昨年のソウル土産です。下準備さえできていれば、イタリアが誇る「ラゴスティーナ社」のお鍋で、韓国風スープがものの10分で美味しく完成!

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おかず代わりのスープがあっさりしているので、お鍋で炊いたご飯には梅干しと赤紫蘇、黒ごまを混ぜました。こちらの梅干しも、同じく「鍵屋」さんのオンラインで取り寄せているもの。鮮やかな美しい色を皆さんにもお見せしたくて、サーヴィスする前に急いで1枚。

梅と紫蘇と塩だけでできている梅干しは、亀の井さんで作っているものではありませんが、地元の方々の手作りの品。甘い梅干しは得意じゃないのに、最近は素朴な塩味だけの梅干しって少なくなったようで残念。ホントは梅干しもぜひ自分で作ってみたいところですが、しばらくは天瀬町の穴井さんに頼って生きていこうと思います(笑)。

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この劇的に辛く、おいしい調味料を頂いてから、鍋などのアクセントにそのまま使っていたのですが、先週まかないでスタッフに、「香辣脆を使って牛筋とセロリをピリ辛に炒めておいて」と頼んだら、砂糖を加えて炒めてくれました。

イタリア料理ではほとんど料理に砂糖を使わないため、気がまわりませんでしたが、お砂糖が加わるとマイルドになってとびきり美味しいことを発見!オイスターソース少々と砂糖を加えた炒め物、ボッリートの残りの牛タンと細くスティック状に刻んだじゃがいも、セロリを使って、早速週末真似してみました。かなりおいしくできたから、「今度は韓国風の組み合わせで、大根と牛肉を炒めてみよう!」と思った次第です。身体が温まるように長ネギもついでに炒めて、和風の青葱はなかったけれど、シブレットを刻んでパラパラふりました。

スープにはお豆腐も入れたのですが、ほとんど同じ材料で作った料理でも、味わいも見た目も全く違いますね。胃弱のはずのゲストまで、できあがっていたピリ辛の炒め物をみて、箸を伸ばしてくれました。「おいしい〜」と喜ばれることが何より幸せ。

大根も冷凍ストックの牛すねも下茹での段階で、すっきりした味に仕上がるように、ひと手間かけています。しかし、いろいろ食べてきたつもりでも、「香辣脆」も友人に送られて初めて知ったスパイス、味覚にもまだまだ楽しみが多く残されており、料理の世界は本当に奥が深いなぁ、っていつも思います。

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食事を終えて、最後にお茶で一服。もしかすると、半ば中毒ともいえる珈琲よりも、大好きな台湾の高価な烏龍茶よりも、美味しい日本茶が一番好きなのかもしれません。

これもまた、飽きもきますし、なかなか好みに合うものがないのですが、普段飲んでいる「魚がし銘茶」のほかも、大抵は静岡のお茶を頂くことが多いです。先日たまたまお土産で頂戴した、九州の嬉野のお茶がおいしかったから、ついでに緑茶も鍵屋さんでお取り寄せしてみました。

旅行のお土産で頂戴したことをきっかけに、なくなると取り寄せている鍵屋さんの青ゆずこしょう。塩気は幾分控えめながら、ものすご〜く辛いのです。私のお気に入りの食べ方は、揚げ出し豆腐に+したり、、おでんのはんぺんに少々はさむこと。とにかくやたらと、やわらかい、やさしい味わいの食材に切り込みを入れて、目が覚めるような辛さのゆず胡椒を少々はさんでおいて、お客様を毎回驚かせているわけです。

と、話がとびましたが、仕事の合間には丁寧にお茶をいれるだけの気持ちの余裕がないけれど、こうして美しい翠色の日本茶を飲むとやっぱりほっとしますね〜。
by amarone-masi | 2009-01-16 16:49 | 調味料
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