10月の基礎科のドルチェは、「トルタ・アル・チョコラート」。秋になったら、やっぱり焼き菓子が恋しくなりますね。
前菜に「カリフラワーのアンチョビソースがけ」と「いいだこの溺れ煮のココット仕立て」の温かい前菜を2品、続くセコンド・ピアットはピアット・ウニコ(ひと皿盛り)でご紹介しました。
いろいろなきのこがたっぷり入ったクリームソースは、タイムの香りとレモンの酸味がアクセントで、パスタのソースに展開しても美味。
そして、肉に添えているのは、茹で汁とオリーブオイルでのばした「イタリア風じゃがいものピュレ」。ソースがクリームベースなので、ミルクは入れずにさっぱりと…じゃがいもの茹で汁を加えてのばすから、おいもの香りが生きています。
今回は、子牛の代わりに今月の研究科でも扱った、「酵素ファーム くぼ(佐賀)」さんの、「酵素ポーク」を使いました。ワイルドな地豚の旨みももちろんありますが、こちらはとにかく健康な豚さんで、臭みも少なく、ソースの香りを生かす料理に使いたい食材です。
研究科では肩ロースを、基礎科は淡白なフィレを使用。ちなみに、肩ロースのブロックの余りで叉焼作りにも挑戦しましたが、とっても美味しくできましたよ。!
少しボリュームのあるメインの後は、ごくさっぱりした軽いドルチェか、反対にそれに負けない重さのあるどっしりしたお菓子の、どちらかを合わせるのがバランスがよいように思います。
チョコレートケーキのリチェッタもたくさん持ってはおりますが、仏ヴァローナ社の66%カカオマスのチョコレートをたっぷり使ってつくるこのチョコレートケーキは、、大変しっとりした焼き上がり。ケーキの柱の役割をする粉の量が少ないため、ほろっとした口当たりで、大好きな配合です。
料理教室の前後の友人達のお楽しみは、教室での食事会。試作を兼ねて呼ぶこともあれば、昨夜のように、レッスン後の食材の在庫一掃で声をかけることも…仕事を終えて、20時からの晩餐です。
テーブルを調えて、飲みものの準備をしたら、後はゲストの顔を見てから料理をさっと仕上げます。いつものごとく、歓迎の気持ちをあらわすのに花やキャンドルを控えめに食卓にのせますが、親しい友人を呼ぶときはテーブルセッティングには懲りません。自分の家にいるように心からリラックスして欲しいと思います。
「食欲の秋で、最近食べすぎだ」とゲストの皆さんが口をそろえるので、そして、私もちょっぴり忙しかったので、ホントにごくごく簡単な食事にしました。蒸し野菜と2種のディップ、そしてレッスンで教えたイイダコとケーキを冷凍庫から登場させただけ!
でも、イイダコの溺れ煮はオリーブオイルとハーブを熱したものを加えてから温めなおしてパスタソースに、ケーキにはリキュール入りのシロを打つなど、ひと工夫。そのひと手間に愛情を込めます。
そうは言っても意外に皆さんパクパクと食が進む様子、急きょベランダのローズマリーを摘んで、じゃがいもをフリットにしました。揚げものは下準備も少なく、手早くできるので案外便利。何回かに分けて小さなフライパンで揚げれば、油もそんなに使いません。
何といっても、夕べのテーブルの主役は、赤ワイン3種。インポーターさんに送ってもらったサンプルを、教室で使う前に味見してみたかったのです。皆であれこれ感想を言いながら、楽しみました。カジュアルな価格帯のワインでも、グラスだけはよいシェイプのものを準備することが肝心です。
10月の赤ワインをオーダーする際にリクエストで、「チャーミングな赤ワインをお願いします」と伝えたせいか、全てボトルやエチケットから想像できる通りの、ナンだか可愛いワインでした。特に北イタリアでは非常にポピュラーな葡萄、バルベーラが美味しかった。秋ですねぇ。