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 ~ イタリア料理・西洋菓子教室主宰 田中玉緒のオフィシャルブログ
インド土産⑤ かたちのないもの Ⅲ
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一番大事な思い出は、やっぱりカレーを習ったこと。手配してもらった料理学校も想像以上にきちんとしたところで、ミラノで通っていたLa Nostra Cucinaを思い出しました。

そのうえイタリアよりずっとキッチンの合理化が進んでいて、ほとんどナイフを使いません。教室でも愛用中のブラウン社のマルチミックスを始め、トマトのピュレもフードプロセッサーで一気にガガーっと、何しろ手早く作っていきます。



そもそも私のカレー作りは、在日インド人のドヴァルさんから習ったもの。それをベースに独学で、都内でも食べ歩きましたし、本もたくさん読みました。いまや、肉じゃがを煮るようにいとも簡単にスパイスからカレーを作れる不思議な日本人となりましたが、せっかくの初インド、「本場のカレーも是非習ってみたい」と思っていました。

しかし、どこに行ったらいいのやら、全く見当もつきません。それに周囲をざっと見渡しても、フランスやイタリアで学ぶ人は多くても、アジアといってもタイやバリ島などのリゾートならまだしも、インドで料理を習ったことのある人って案外いないものです。

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出発間際まで忙しかったこともあって、100%インダスさんに手配をお任せしてしまったから、「一体どんなところで習うのかしら」と少々心配しておりました。

何しろヴェトナムでは、「ホテルでヴェトナム料理を習う」というレッスンに申し込んだはよいけれど、野外キッチンに並んだ食材にはハエも止まり放題との経験もあり、情けないほどそういう野性味に弱い私は、楽しみ半分、不安半分の複雑な思いを抱えてレッスンに向かいました。写真は当日習ったメニュー。

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でも、着いたところは、セキュリティもよさそうな、感じのよい住宅街で。

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そこで車が止まったので、ほっと胸をなでおろしました。門を開けているのは先生ではなく、武蔵丸関でもなく、この日のガイドのチャマンさん。

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個人でレッスンを受けられるというので、もっとカジュアルなところを想像していたから、意外にきちんとした学校らしい感じで準備もされていたのでビックリ!

満面の笑顔の彼女は、先生でも、私でもなく、オーガナイザーのVIVEK SAGGAR さん。

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で、こちらが先生。英語でレッスンが進みますが、チャマンさんが同行していたので細かい説明はヒンドゥー語で。

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何年もレストランのシェフをしていらしたという、先生が掲載された新聞記事が壁に貼ってありました。今でもデリーで行われる各国料理フェアなどでは、インド料理を紹介するご活躍ぶり。

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あっという間にカレーが4品できあがります。意外に煮込み時間が短いのです。

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トマトベースのチキンカレーは、時々食べに行く近所のインド料理やさんのチキンカレーに非常に似ていました。そのお店ではデリーのオベロイのシェフをスカウトしてきたそうですから、先生もジ・オベロイの出身なのかしら?

試食後、「どれが一番おいしかった?」と聞かれ、「ひよこ豆のカレー」だと答えました。野菜のカレーも、リクエストしたパニールのカレーも全て美味しかったけれど、玉ねぎをあめ色に炒める代わりに揚げ玉ねぎを加えてコクを出すアイディアや、ひよこ豆を半分ピュレにして加える点が(イタリアのスープにも通じる考え方で)特に気に入りました。

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私は手ごねで作っていたのに、パラタの生地作りもニーダーで。

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このたたみ方はレストランのもので、層がたくさんできるのから確かにおいしい。でも、大変手間がかかりますから、レッスンでは家庭で作る簡単な方法でご紹介しました。

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焼き上がりのパラタ。味はとってもよかったけれど、見かけは私が作ったほうがきれいなような…。

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そして、この日の夜は、旅行の手配をお願いしたインダスさんのデリー本社のトパさん宅に、今回の旅の課題である「ひよこ豆のカレー」を習いに行きました。ロンドンの大学に留学中の長男のマナブ君も帰省中で、可愛いミニーちゃんも一緒に1家4人で歓待してくださいました。

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「ひよこ豆のカレー」が得意だという奥様に、家庭のカレーも是非習ってみたかったのです。

どこの家庭にもあるスパイス・ボックスから適当にスパイスを加えていって、本当にシンプルに手早くカレーを作ります。しかし、考えてみれば、インドの方にとってのカレー作りは毎日のことなのですから、長い時間をかけて作るカレーばかりじゃないのですよね、きっと。

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リクエストの「ひよこ豆のカレー」のほかに、「カリフラワーとじゃがいものサブジ」も教えてくれました。

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ここでもインドのキッチンの近代的な合理主義を思い知らされました。

豆料理が多いせいもあるのでしょうが、圧力鍋が特大から大中小と大きさを替えて、4つもあるんです!イタリアでもラゴスティーナ社の圧力鍋は有名ですが、どの家庭にもあるものではないし、ましてや圧力鍋を複数持つなんて考えられません…もちろん全てMade in India。

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テーブルの支度を調えてもらって、大人たちの夕食が始まるのは21時ごろ。食事の前に延々とアルコールを振舞われて、日本と逆なのでしょうか?

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ものすごい量のライス!!北インドではパンを食べるのが一般的ですが、この日はチャパティのほかに白米も炊いてくれました。

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おいしく食事を頂いた後、チャイを囲んで食後のお喋りをして、まっすぐホテルに戻るはずでしたが…。

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ホテル・フリークの私にとっては嬉しい寄り道、タージの部屋に戻る前に、オベロイホテルのBARに立ち寄ることになりました。

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カウンターの他は全てソファ席になっているラウンジタイプ。

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普段は圧倒的にスコッチ党ですが、インドでは品揃えが薄かったこともあり、どこでも「ギムレット」を頼んでみました。バーテンダーの個性を知る意味では、カクテルの王道「マティーニ」の飲み比べも魅力的でしたけれど、何しろチャンドラーの大ファンですし、「インドではジンベースがよいかしら」とも思って、計4軒のホテルのBARでそれぞれのギムレットを楽しみましたよ。

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そしてアグラでは、ムガール・シェラトンで夕食をとった後に、アマルヴィラスのBARに移動。基本的には宿泊客しか利用できないところを、そこはナンとか、ハイシーズンではないし、BARだけならと交渉してもらって。

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ほぼ1年中暑いインドでは、「暗くするのがご馳走(=涼しいから)」と言われているそうです。薄明かりの中で見た煌くシャンデリアの美しさも忘れられません。

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ここでも、やっぱりギムレットを…バカンス先でしたので、夕方食前に飲んだJPパレスのBAR に続いて、贅沢にもこの日2杯目。雰囲気はこちらが一番素敵、でも、カクテルそのものはデリーのオベロイのものがドライで(でもドライ過ぎず!)一番好みに合いました。

最後は余談でしたが、眠る前のひと時をBARで静かに過ごす時間が好き。しかし楽しい旅でした。
by amarone-masi | 2008-09-07 01:33 | 贈りもの・お土産
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