仕事の合間を縫っての遅いランチタイム、知り合いの業者さんと一緒に、懐かしいお店に伺ってきました。
教室を青山に移してすでに11年目の夏を迎えていますが、最初の3年間は日本橋浜町のマンションで教えていました。
お菓子の先生のところで働いた経験はあるものの、料理の現場を全く知らずに、イタリアで料理を学んで教え始めたはよいけれど、仕入れから何から1人でやっていたので、それこそ朝から晩、いえ、真夜中まで働き通しの日々でした。
ちょうどイタリア料理のブームがやってきたこともあって、当初メインにするつもりだった「お菓子のクラス」より「イタリア料理のクラス」に人気が集中してしまい、そのうち友人の紹介で、近くのリストランテ「アル ポンテ」の原シェフにお世話になるようになりました。
アルポンテさんの厨房は広くて清潔です。ここで魚を下ろしたり、大きなざるをふるって細かいパン粉を大量に作ったりと、いろいろ学ばせて頂いて、今があります。仕入れ先もたくさん紹介して頂きました。
今は今で青山近辺のシェフたちに大変お世話になっていますが、「初心忘れるべからず」で定期的にご挨拶に伺うようにはしていたのに、気がつくと前回アシスタントさんたちを連れていって以来2年ぶり。ロケーション通りの下町人情派といった温かいお人柄のシェフに、久々にお会いできて楽しい午後でした。
駅の改札を出ると、いきなりにぎやかな看板が目に入ります。何しろこういう土地柄で育ったのです。
生まれ育ったのも、このすぐ近く。甘酒横町を歩いていると、中央区立久松小学校の同窓生の家が何軒もあります。
美しい前菜の盛り合わせに続いて…
同行したのは数の子やさんの2代目の井出さん。いくつか持参されたサンプルの食材を、シェフが即興でコースに組み込んでくれました。
これがナンと、数の子を使ったパスタ。
いつものことですが、パスタは熱いうちに、とつい食べ始めてしまいました。
2人のお話し中に食べすすんでしまい、写真を撮りたかった肝心の一品だけに心の中で「マズイ」と思っていると、「『あ、写真忘れて、食べちゃった』だろ?この人(=私)はナンでも正直に顔に出るから面白いよ(笑)」とシェフ。
もはや14年にもなるお付き合いで、「親戚のおじさんみたいなものだ」と言ったらシェフに怒られましたが、全くそんな感じです。
同じくサンプルに差し上げた「シラス」を使ったパスタ。
セコンドの魚料理にも、持参した雫石の「生わさび」を、副菜の野菜のクリームソースにアクセントで使ってくれました。
早速その場で出してくださった美味しいメニューはもちろん、数々の貴重なアドバイスも、畑の違う業者さんにとってはいろいろ今後の参考になることが多かったようで、感心しきり。原シェフには心から感謝します。
夕方、1人で試作をしていると、取材先のロシア土産のチョコレートとともに、カメラマンの友人が訪ねてきました。ほんの15分ほどでしたが、ドクロのTシャツが可愛いので1枚。
Tシャツ同様、怖可愛いイラスト入りのモスクワのチョコ。
長年「携帯写真家」としてキャリアを積んできた?私には、まだまだデジカメというものがよくわかりません。後でデジタルカメラで撮り直した写真も、携帯で撮ったこれと大差がなかったり…カメラは難しい。