さて、待望の夕食。今回の旅で見直したのが、このメカジキという魚。
南イタリアの魚市場でそのとがった頭を飾っているのをよく見かけますが、近海で獲れた新鮮なカジキは本当においしい。日本で食べると生は脂がのりすぎているし、冷凍モノはそれなりの味わい。やたらとガタイのよいカメリエーレに、「今夜のお勧めセコンドは、Pesce Spada(メカジキ)だ」と言われたときにはちょっぴりガッカリしましたが、頂いてみるとこれには大満足でした。
<キャビアを添えた茹でた白身魚や海老にかかっているのは「オーロラ・ソース」…初めて見ました、イタリアで>
<トスカーナでさんざん食べてきたのですが…旬の高級食材、やっぱり勧められてしまいます。でも、手打ちのパッパルデッレが美味しかった>
さすがは宝石やさんの勧めてくれた店というべきでしょうか、店内はきらびやか。どことなく中華風でもあり、趣味がよいのか悪いのか判断がつきかねましたが、遅い時間には地元客でいっぱいになっていた人気店。
BARIでの夕食のチャンスは何しろこの一度だけでしたので、ホテルのレセプションでもお勧めを尋ねてみたのですが、やはりこの
「LA PIGNATA」を勧められました。着替えをすませて夕食に向かう途中で通り道にある店内をのぞくと、ご家族と一緒に先ほどの親切なSignorの姿。にこっとされたので、「これから、お勧めのPIGNATAに夕飯に行くんですよ」と伝えると、とても嬉しそうに「○○(宝石やさんの名前)の紹介だって言うんだよ」。
<一瞬、チャイナ・タウンに紛れこんだかと…>
<サーヴィスで出るリコッタがクリーミィでおいしい!>
<ソルベのバックに見えているのは、山盛りのPiccola Pasticceria。それぞれがとても「小菓子」とは呼べない大きさなのは、ご愛嬌でしょうか>
食事は「海の幸の前菜」に始まり、迫力あるカメリエーレのお勧めに従って、「ポルチーニのパスタ」と「メカジキのグリル」。そして食後に「レモンのソルベ」で、今日もまたお腹いっぱいに。
パンと一緒に出てきた「フレッシュ・リコッタ」がとてもおいしかった。全てのお皿は塩梅がよく美味しかったのですが、リストランテとはいってもきらびやかな内装とは裏腹に、カジキのグリルのように素材の味を生かしたシンプルな調理法の料理が多いことに好感を持ちました。また、イタリアのパンには総じてあまり感心しないものなのに、ここプーリアではおいしいパンが多かったことも印象に残りましたよ。
ホテルに戻ると、パーティーが終わったのか賑やかな声。部屋には小さなバルコニー(高所恐怖症の人にはお勧めできない規模のもの、今にも落ちそう…)がついていたので窓を開けて外に出てみると、昼間はひっそり静かだった街が活気づいていました。暗くなるとナポリの駅前同様、車やバイクが増えて一気に賑やかになるBARIの夜。
翌朝、何かの賞を受賞したこともあるらしいホテルの朝食を楽しんで、再びエアワンにのって、1時間の飛行でROMA FIUMICINOに戻りました。
ローマから入り、8年ぶりのフィレンツェで3日ほど過ごしてから訪れた、初めてのプーリア。さらに旅はローマで楽しむ数日を残しており、食べ歩きに関しては都会だけにその後も印象的な店もありましたが、素朴な景色に親切な人々、そして初めて出会う食文化に触れ、プーリアでの数日間は何より心に残るものとなりました。
4年前にシチリアを旅したときにも感じたことですが、これだけ何度もイタリア通いをしていても、初めて訪れる土地には独自の文化があり、景色や建築物など目にするものはもちろんのこと、詳しいはずの食事の面でも日々新しい発見があります。何度訪れても新鮮な感動を与えてくれる国だからこそ、リピーターの方が多いのでしょうね。何度目かのイタリアであれば、是非このプーリア州も訪ねてみてください。
★さてさて、バカンス向きの話題を書き終えたところで、ブログもしばらく夏休みに入らせて頂きます。休暇中といっても、もちろん18日(土)のインド料理のレッスンはございますので、参加の皆様はご安心下さいね!