順番は前後しますが、7月の基礎科の料理写真をまとめておきます。
基礎科に関しては過去にもたくさん記事を書いていますので、Blog内検索の枠にメニュー名を入れて頂くと補足説明やプロセス写真などもあがってきますので、ご参考になさってください。
まずは基礎科のアンティパストの中でもお気に入りのメニュー、「海老と茄子、アボカドのマリネ バジリコ風味」、自家製バジルオイルを簡単に作って、素焼きした茄子にしっかり味を染み込ませます。レッスン用には海老をたっぷり奮発してご馳走風に。
ポイントはひとつだけ、茄子を焼いたら、すぐにバットにとってアイスノンにのせて、急いで冷やすと色落ちをふせげます。茄子だけで作っておけば常備菜にもなりますし、マリネが余ったら細かく刻んで冷製パスタのソースにも。
そしてセコンドは、「子牛のカツレツ ミラノ風」、ロースを使うときはあまり薄く叩かないのですが、おなじみの格子模様は入れるとよかったですね。
本場イタリアでは(よほどのリストランテでない限り)こういった肉料理や魚料理のセコンドに付け合せはついてこないけど、栄養のバランスを考えて、フルーツトマトとパプリカをだまし絵風のサラダに仕立てました。同じ食材を使っても目先を替えること、家庭の献立の参考になるといいな、と思います。
北イタリアで料理を学んだ私には、セコンドピアットの子牛はもっとも身近で一番好きな食材です。日本ではまだ高価なのが残念だけど、子牛を買えるお店もご紹介していますし、豚フィレや皮なし鶏胸肉でも復習して頂けます。
今回はイタリアのものに一番近い、チルド輸入の仏産子牛を使って…あくまでホンニンの自己満足ですが(苦笑)、生徒の皆さんにもホンモノを味わって頂けて嬉しい!子牛のミルキーな風味がバターに合います。
プリモは、日本が誇る冷製パスタ、「冷たいトマトのカペッリーニ」を教えてきたのですが、今年から基本のレシピをつけたうえ、「冷製桃のフェデリーニ」をメニューに組み込みました。日本の白桃が一番好き、これもまた毎年夏になると必ず作る定番です。
フルーツトマトを刻む定番ソースも美味しいですが、ブレンダーで作る「フルーツトマトのソース」で和えるとこれまた格別の美味しさ!お好みで少しにんにくも加えてみてください。
ドルチェは「やわらかメロンのゼリー アニス風味」、イタリアらしく赤肉メロンを使って、またゼリー液は食後酒をイメージして(ヴァニラビーンズの他に)白ワインにアニスを加えておりますが、恩師である
洋菓子研究家の加藤千恵先生のレシピを元にしています。
今月の献立は奇しくも、前菜は日本橋浜町
リストランテアルポンテの原シェフに、教室スタート時の22年前の夏に教えて頂いたもの、ドルチェは加藤先生に教えて頂いたゼリーになりました。いずれも自分にとってもお気に入り、基礎科を卒業された生徒の皆様のお宅でも定番になっているメニューだと思います。
もともと7月の基礎科のメニューでしたのでホントに偶然なのですが、6月は仕事も兼ねて久しぶりにアルポンテさんにディナーに伺ったり、加藤先生には謝謝台湾講座にいらして頂けたりと、きっといろんなご縁があってのことなのでしょう。
ついでに言えば「ミラノ風カツレツ」のパン粉も大昔、アルポンテさんの厨房で当時のアシスタントさんと一緒に大きなざるを持ってふるって作って習いましたが、今はもうFPだけで丁寧に濾してはいません。家庭料理なのでこんな感じでいいのかな、と思っていますが、でもね、久しぶりに食事に伺って、リストランテの美しいお皿や風格はこうした手間暇が現れて生まれるものなのだわ、と実感いたしました。