富里に越された
「クッチーナ・トキオネーゼ・コジマ」さん、お店に地震による大きな被害はなかったようで何よりでしたが、小嶋正明シェフの故郷の旭市に義援金を送るために震災後一日20個限定でクリームパンを作っていらっしゃいます。
震災直後はもちろんのこと、いまだに客足が遠のいて久しいお店が東京にもたくさんあります。知り合いのシェフたちからも心配してお電話を頂戴したり、お互い励まし合っているものの、出入りの業者さんに聞いてみてもまだまだ厳しい現状です。そもそもその業者さんたちだって、いろんなリストランテのシェフたちが仕入れに苦労して困っている私を見かねて配達してもらえるように紹介してくれたのですが…
青山にいらした頃小嶋シェフにもさんざんお世話になりましたし、イタリアへの恩返しで今の仕事を続けている私の半分は、日本のイタリア料理界の料理人さんたちに育てて頂いたのだと感謝しています。
90年当時は女性でイタリア料理を専門に教えている日本人はほとんどおらず、料理研究家という世界とは交わる機会が全くないまま、厨房のコックさんやそのチームを率いるシェフたちに可愛がって頂いて、今の自分があります。
人情に厚いイタリア料理界が大好きなので、これからもへっぽこながら片隅において頂いて一緒に頑張っていきたいのです。
小嶋さんの義援金クリームパンのお話を伺って、ぜひレッスン週に取り寄せたいと思っていました。今朝届いたそれはシェフの気持ちがたっぷり込められた大きな大きなクリームパンでした。生徒の皆さんにも大人気で、スタッフにプレゼントするつもりだったぶんもなくなってしまい、また近いうちにお願いしたいと思っています。
「お店的にはチャリティー100%のクリームパンがいくら売れても利益にはなりませんが、そんなことより仕事が少ない分クリームパンでスタッフみんなが一生懸命働いてくれて、誰も文句一つ言わず気持ちよく仕事に追われていることをうれしく思いますし、逆にいうとクリームパンに救われているのかもしれません」とシェフのブログにありましたが、お気持ち十分お察しします。
すでにコジマさんは本業もお忙しいご様子ですし、お店に食事に行って頂けるのが一番ですが、しばらくはこのクリームパン、続けられるそうです。代引きでクール便でも送ってもらえますので、皆さんもシェフのビッグサイズの愛情をぜひ味わってみてくださいな。