今月のプリモ・ピアットは、「リゾット・アル・ペースト」、夏の終わりに収穫したバジリコで作ったジェノヴェーゼのリゾットでした。ペーストに合わせる定番の具材、じゃがいもとインゲンも、刻みかたひとつで、随分洒落た印象になります。
続くセコンドピアットは秋の色合い。美しいカフェラッテ色のポルチーニのソースがかかった「鶏のインボルティーニ」には、生ハムとフォンティーナチーズの他にローストしたナッツが巻かれています。
教室のそばの小嶋正明シェフのリストランテ、「クッチーナ トキオネーゼ コジマ」さんが富里に移転される前に、最後の晩餐で伺った際に出して頂いたのが、このリゾットでした。
海辺が好きで、ジェノヴェーゼの故郷リグーリア地方もすでに何度も訪れました。たくさんのクルーザーが泊まるエレガントなポルトフィーノや、世界遺産にもなった美しいチンクエテッレの他にも、ポルトヴェーネレやサンタマルゲリータなどなど、イタリアン・リヴィエラにはチャーミングな街がたくさんあります。
本場のジェノヴェーゼはエメラルドグリーンをしており、まさに今回ご紹介したリゾットのような色合い。さらにご馳走にしたい場合には、最後にリゾットのブロードでさっと茹でた海老をのせるとよいですね。グリーンにオレンジ色が映えると思います。いずれの具材も、じゃがいも以外は、バジリコの風味を活かすよう、米と一緒に煮込まずに最後に加えることがポイント!
「インボルティーニ」のコントルノとして、同じようなサイズで作った里芋のフリッコを、鶏肉と一緒に並べています。ソースのアクセントにしたのは、煮詰めたバルサミコ。
どちらもポピュラーな家庭料理ですが、盛りつけの工夫次第で、十分おもてなし向きの1品にもなりますね。初秋にぴったりのメニューだと思ってご紹介しました。